ケッパーケイパーチリペッパー

なんかとなんかをつなげて幸せ

漢字で喋るおっさん

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一流の頭がいい人と俗に呼ばれている人たちは総じて簡単な言葉で話し、
一流になりたいだけの粋がったでしゃばり屋は
難しい単語ばかり使い相手にわからない言葉で話す

難しい言葉をつかったり四字熟語を好んで使う人間は
コンプレックスを隠そうとしているそうだ



だが実際にはそういうわけではない
ある数学に溺れ死んだ天才は天才ながらにして
凡人にもわかりやすい説明を息をしてるのかわからない勢いで話すと有名だった


彼は壇上に立つと今までの薄暗い雰囲気はどこ吹く風でただ数学の知識を
わからないであろう人間にかみ砕いた形で話し続ける
彼の授業に質問はなく、まるで美しい音楽を奏でるように誰も話さない

彼が数学について話す時は彼一人でおそらく完璧だった

彼は数年休講した
ある問題について話す授業の準備をするために

数年で終わるはずだった休講は延長されもう1年休講した

数年ぶりに見る彼はげっそりと痩せこけ目に見えて肌が白い
声が小さい ぶつぶつ言いながらなにかよくわからないことを言っている
運命的にだとか 後述するだとか
とても彼の講義だとは思えなかった。

そうして彼の数学に対する興味はその問題によって殺される
自信も功績ももともとの彼が出したであろう実績よりも
確実に挫かれた何かになっていることだろう

彼はフェルマーの最終定理に消された天才だそうだ
ただ名前を忘れた たぶんダフィット・ヒルベルト


このなにかよくわからない事を言っているというのは
難しい言葉しか話さないという状態とひどく似ているではないか

わからないことは一緒だ
ヒルベルトにはいい教師であったという印象があり
難解言語スピーカーの彼らにはなかったというだけだろう

ぶつぶつとわからないことを言うか
声を張って難しいことを言うか

彼らは自分の中で決着のついていない
まだ正確に把握しきれていないことを話す時、難しい言葉を使う


かれらは探索者であって決してコンプレックスを抱えた
心の曲がった子供ではないのだと思う