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【映画が】パラサイトイヴ【襲ってくる】

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パラサイトイヴ
アヤブレアの方ではなくて映画のパラサイトイヴ


生物学者の永島(三上博史)は人間の細胞の中にあるミトコンドリアの研究をしていたが、そんな折、妻の聖美(葉月里緒菜)が交通事故で脳死状態に。悲しみのあまり狂気の域に陥った永島は、聖美の肝臓を譲り受け、その細胞に“Eve1”と名づけて培養実験を開始するのだが……。
瀬名秀明の同名ベストセラー小説を映画化したサイエンス・ホラー映画。人類創生以来、人間の細胞に寄生し続けてきたミトコンドリアの、人類への叛乱がテーマとなっているが、原作を換骨奪胎した内容になっており、また当時の技術を駆使したヴィジュアル重視の作品に仕上がっている。最終的に「愛」がモチーフになっているあたりは、評価が分かれるところだろう。監督はTV出身の落合正幸で、これが映画デビュー作。(的田也寸志


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小学3年だった時、小説版が僕の神様だった。
こういう小説を書くんだと思い込んでずっと持って歩いて
人と話さずに読んでいた。読んでも読んでも一文字も覚えなかったが
それでも映画版が小説版と比べてゴミほどにも価値のない内容の薄められ
てしまった冒涜作品だと思うには十分なほど読み返していた。
学校に持っていって夜は枕元に置いて寝る。
でも僕は毛ほどもこの映画の良さをわかっていなかったとわかった。

小説は小説で名作ではあったが映画は映画でラブストーリーの皮を
かぶったマッドサイエンティストを愉しむ映画になっている。

ミトコンドリアによって肝硬変を和らげるだけの研究をしていた
主人公は人間に寄生するミトコンドリアと寄生されている人間を
混同し亡くした妻のミトコンドリアが妻であると思い込みだす。

妻(聖美)の肝臓を貰ってきて仕事仲間から奥さんの昏睡を
見舞わなくていいのですか?と聞かれた時に
「聖美はここにいるよ?」と肝臓を持ったまま真顔で答える。

事故で奥さんを亡くしたという意気消沈に同情し
立ち直ってほしいと思っているこっちとしたら
立ち直り方はどうあれつい応援したくなる。

彼がミトコンドリアを「妻の聖美です」と嬉しそうに語るたびに
なんとも楽しい。周りがあんたはおかしいだの気味悪がって
逃げていく姿はむしろ滑稽で残念になってしまうくらいだ。

現在ではミトコンドリアよりもIPS細胞、幹細胞がミトコンドリア治療
に代わる万能治療の考え方に代わっている。
話題を変えたのは溺愛対象の妻ミトコンドリアがまったく好感のもてない
不気味な人として描かれているためだ。事故で脳死するまでに言った言葉は「うふふ」「あなたを待ってたの」と変質者類ばかりだ。しかも独り言である。


ミトコンドリアの群体で復活した聖美はその後ミトコンドリアだけで
聖美になるという今までの科学考証を全部忘れた展開を作り出す。
しかも歩くたびにピチョンピチョンいう。
髪はぬれっぱなし、声はエコーしっぱなしこれからの生活に影響しまくる
復活方法である。「10億年以上まえから待ってました!」とか言い出すしちょっと落ち着けば別人な気がしてくるだろうに我らがマッドサイエンティストはあろうことが液体と事に及ぶ。

スピーシーズ-種の起源-っていう映画そのものにおっこちた。
しかも聖美さん(ミトコンドリア)からは説明が一切ないので
スピーシーズのパクリなんだ!という感動だけでそのシーンは流れる。

ここまでくるとこの映画はひどいもんである。
ミトコンドリアが小さい女の子を孕ませようと
襲いにくるパニックホラーというだけですでに
なにを考えているのか聞きたくなる映画なのに
ミトコンドリアが群体を取るくせに振動で連絡をとって
他人の体のミトコンドリアを発熱させる。

しかも止めようとする人間よりも
隠れて逃げようとする看護婦や
流れを掴めていないのに出しゃばる人を
選んで人体発火させる。
最後の方では無差別にミトコンドリアに発火しろ波
を出して発火させるのだが逃げ惑う人の叫び声の方が
焼かれている人よりも多い。というか1人以上燃えている
画面がない。1回の命令で1人しか焼けないんじゃないだろうか。 
ミトコン聖美曰く「人類は絶滅する!」らしいんだが
たぶんどれだけ頑張っても出生率には勝てない。


そのあとの展開はもうギャグを通り越して難解である。
今まではミトコンドリアに命令して人間を焼却する
脅威だったはずなのに画面越しに見つめた相手






の近くにある機械を爆発させる能力を手に入れる。
もうなんにもわからない。


たぶんあの世界では人間が頑張れば機械は爆発する。

やっぱりひどいもんだ!!
CGの液体表現はあの頃にしてはとってもいい。
ついでに原作小説もとってもいい。
映画はどうでもいい。若い稲垣吾郎が心の支え。


パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)