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なんかとなんかをつなげて幸せ

台風で逃げ込んできたゴキブリ2匹

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先日の台風でゴキブリが家に避難している。
一匹は早朝にあいさつもせず出て行ってしまったが
もう一匹のチャバネは部屋で迷ったのか滞在を長引かせている。

つい先ほど家主の私にスリッパで圧殺されてしまったが。

図々しければ雨風を凌ぐのも命がけ ゴキブリには風当たりの強い世の中である。


しとやかなゴキブリは遠慮して洗濯籠から離れず夜を明かし帰って行ったが
我が物顔でわが家を闊歩したふてぶてしいチャバネを見ていてふと思った。


彼らは私のスリッパから逃げていると
普段床を這うようにしてぼんやりする時より神経伝達が滑らかなのだ。
止まっている時の彼らの触覚の動きは
人間の考えで見る限り「タンタン」と「タン、タタン」のリズムを
組み合わせて均衡を保っている。 危機を察知さえしなければ5分はリズムを崩さなかった。
左と右の触覚を区別せずに観察したせいで
二つの役割を左右で変えているのかどうかはわからない。

とはいえスリッパを拾ってしゃがみ込み呼吸をひとつ吸ってから振り下ろしたら
チャバネの動きは先ほどまでの静寂とはまったくちがう量の動きを起こした。

足の動きが観察できない程度の速さだったのである。
頭の中にあるゴキブリの脚の動きは
アリやコオロギのそれと同じものであるはずだ。
3節の関節があり順関節と逆関節を持つ。
人間の腕とは肩の関節だけの違いだ。

故に動きに特徴的なものはない。
更新速度の遅い車輪

しかしその時のチャバネゴキブリ
車輪の周る速さに近かった。
私の脳はゴキブリの足を追っているつもりでいつのまにか
ゴキブリの位置を把握して焦点を合わせるので手一杯になっていたのだ。

あれはもはや感動したと言ってもいい。
頭は必死にゴキブリの足を見ているつもりになっているが
眼球はゴキブリの2対の多脚を右と左どちらに合わせるべきかわからずに
結局ゴキブリの体を追ってしまっている。
すごくドキドキした。

ゴキブリ観察しただけでアドレナリン出ちゃうのは人間性がなくなってきてるんじゃない
かと心配になるが、あれは悪夢から覚めたドキドキにそっくりだ。






ゴキブリには目では追えないほどの速さがある
足を動かしているという部分的な観察ですら追いきれはしなかった。

制御する速さでは虫のみならず
人間の脳を超える速さで物を考えるものはたくさんいる。
犬や鳥、ネコや馬、チーターや蛙

だがプログラマーたちは人間と同じ脳の構造を再現したコンピューターが
既存のものからのパラダイムシフトを起こすと信じて疑わない。
MITは人間の脳の構造と同じ思考機械は消費電気量がすくないと喜び
人間を模した形に無理やり着替えさせるのだ。

所詮は人間と同じAIは人間が怖がらないために
同じようにしてあるというだけの
教育用教材になる未来しかない。

人間を模すくらいなら完璧に作られた昆虫神経系を使った
人間と同じ思考をする有機コンピューターの方が耐久性は高い

耐久実験もスリッパでしてみた。

ゴキブリを殺してから噛む爪はいつもより心なしか苦い。